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映画ドラマ脚本(プロを目指す方向け) | |||||||||||||||||
脚本(シナリオ)とは映画やドラマの流れを記した文章であり、「シーン」と呼ばれるト書きと台詞からなる文章をつなぎ合わせた構成になっています。多くの映画ドラマスタッフが脚本を共通の設計図として拠り所とするため脚本のフォーマットが決まっていることはとても重要です。長い歴史の中で熟成され今に至っているのが現在の脚本の書式です。
映画やドラマの脚本は最終的に書式を整えた台本として印刷されるため、プロの脚本家は執筆する段階で脚本フォーマットを念頭に置くことを求められます。またプロではないとしても例えば脚本コンクールに応募する際は、柱、ト書き、台詞といった基本的な書式を踏まえたうえで書く必要がありますし、自主映画であっても書式に則って書いてあれば、キャストやスタッフが入れ替わっても戸惑うことがありません。 しかしいざ脚本を書こうと思うとこの書式を整える作業が大変面倒なのです。ト書きと台詞でインデントを変えなければならず、修正を加えるたびにいちいちインデントを再設定しなければなりません。こうした脚本書式の煩わしさを解消したのが O's Editorです。最新の O's Editor3 でも台詞やト書きを修正してもインデントが崩れないため、脚本フォーマットを意識することなく執筆に専念することができます。インデント以外にもさまざまな脚本に関する機能を備えているのは、O's Editorの作者が長く映画やドラマの現場で働いていたためです。
「柱」とは各シーンの見出しであり、主に場面の“場所”を記述します。場所に加えて「朝」や「夕方」といった時間帯を添えることがあったり、ときには場所ではなく「太郎の夢」や「回想」といったシーンの状況を記述することもあります。伝統的な脚本の書式では柱の先頭に「○」を挿入します。例えば「○太郎の部屋(昼)」といった具合です。O's Editor3 は行頭に○があれば自動的に柱として認識します。
「ト書き」とはシーンの状況を説明する文です。概ね数行の簡潔な説明文であるのが一般的です。例えば「大量の本や食べかけのカップラーメンが散乱した汚部屋寸前の状態。」「布団の上で太郎が腹を出して寝ている。」といった具合です。ト書きは柱や台詞よりもインデント(字下げ)を深くすることで、ト書きであると判別できるようにするのが脚本書式の慣例です(※ただしインデント字数は状況によって変わります)。O's Editor3 では行頭に○がなくカギ括弧も使用していない文をト書きと認識し、自動的にインデントを施すようになっています。インデント字数はスタイルによって決定されます。
「台詞」とは劇中の登場人物が話す言葉を、登場人物の名前とカギ括弧内のしゃべる言葉で構成された文です。例えば、太郎「(寝言)鳥羽伏見の戦い……」といった具合です。台詞は2行目からインデントを施すのが慣例です(ただしインデント字数は状況によって変わります)。O's Editor3 ではカギ括弧を使用した文を台詞として認識し、2行目から自動的に字下げが適用されます。インデント字数はスタイルによって決定されます。
プロを目指す方々が脚本を書く機会といえば、自主映画の脚本や映像スクールの実習で書く脚本、そして脚本コンクールに応募する脚本などがあるかと思います。自主映画ではスタッフが共通認識を持てればそれほど書式にこだわらなくてもよいかもしれません。一方、映像スクールで書く脚本や、脚本コンクールに応募する場合は書式を厳密に守る必要があります。柱、ト書き、台詞という基本的な脚本書式はまず押さえるとして、脚本コンクールとなると1ページあたりの行数や折り返し文字数、インデント数なども指定されることがあります。O's Editor3 ではそうした細かな書式も調整することが可能です。主要な脚本コンクールについてはあらかじめ専用スタイルを実装していますので、ワンクリックで確認することも可能です。 (※実際に脚本コンクールに応募する際は必ず各コンクールが用意したひな形(ワードファイル)にコピー&ペーストしてください。詳細は脚本コンクール応募原稿の作り方を参照してください)
脚本を俳優やスタッフに配布する際は表紙や登場人物一覧を付けるが通例です。これを「前付け」と呼びます。前付けとしては「表紙」と「登場人物」があれば充分ですが、脚本コンクールでは「あらすじ」も要求される場合があります。前付けと書式を整えた脚本を合わせて印刷あるいはプリントアウトすれば「台本」となります。O's Editor3 では脚本など各文書に個別の表紙情報(タイトルや執筆者名など)や登場人物情報を設定することが可能です。メインメニューの[ファイル|文書管理|文書情報|文書情報編集]または文書タブの右クリックメニュー[文書情報|文書情報編集]で作品タイトルや執筆者名を登録しておけばPDFエクスポートの際に自動的に表紙に記入することができます。また、メインメニュー[ファイル|文書管理|執筆材料|登場人物]では登場物の追加や修正を行い、[ファイル|文書管理|執筆材料|あらすじ]では脚本に紐付いたあらすじを書くことができます。これらも文書タブの右クリックメニューからも実行可能です。
近年の撮影現場はタブレットでPDF台本を確認するケースが増えていますし、脚本コンクールもPDFやワードファイルでの提出が定着しているため、脚本を印刷せずにPDFエクスポートで済ませることがほとんどかもしれません。O's Editor3 では脚本の書式を保ちながらPDFエクスポートすることができます。メインメニュー[ファイル|印刷とエクスポート|PDF]またはアクションバーの[PDFエクスポート]ボタンをクリックしてください。このとき、あらかじめエクスポートに適用するスタイル(例えば台本印刷スタイルなど)を選択しておく必要がありますのでご注意ください。PDFダイアログが表示されたら、出力ファイル名を入力し、前付けもあわせて出力するかどうか選択します。OKボタンをクリックすればPDFエクスポートが実行されます。
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